当記事は解説記事ではありません。
私がこの作品を好きになるまでの経験を追体験できる記事です。
もくじ
観ようと思ったキッカケ
諏訪湖花火大会を見に行った旅行中
諏訪湖花火大会で「君の名は。」コラボきたーーー!! pic.twitter.com/Blolvc7Fvi
— sunegezonbi (@sunegezonbi) 2017年8月15日
諏訪湖花火大会で「君の名は。」コラボが始まり大興奮!
ツイッターがバズったのもいい思い出です。
この日の宿はカプセルホテル。花火の余韻がおさまらないまま、床に就きました。
カプセルホテルの朝に…
カプセルホテルでの朝にテレビを眺めていると、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主演声優のインタビューが放送されていました。
その時に上映してることを知り、旅行から帰ったら観に行こうと決意。
第一印象は「これ絶対面白いやつや!」です。
「これ絶対面白いやつや!」と思った理由
- 総監督の新房昭之の作品は「まどマギ」はもちろん「月詠」「ぱにぽにだっしゅ!」の頃から観てる
- 脚本の大根仁はドラマ「モテキ」でハマって何回も見返した
- 典道の声担当の菅田将暉は「仮面ライダーダブル」から応援してる
- なずなの声担当の広瀬すずは声が可愛い
「面白くないわけがない」と思い、期待を込めて映画館に足を運びました。
2017年に映画を観に行った感想【公開時】
【ざっくりすぎるネタバレ】映画の内容
登場人物(主人公とヒロイン)
- 主人公 :島田典道
(なずなに想いを寄せている) - ヒロイン:及川なずな
(転校する前に典道と思い出を作りたい)
同じクラスの男女二人が主役です。
典道はなずなに思いを寄せていて、なずなも典道に好意を持っています。
キーアイテム「もしもボール」
- もしもボール:なずな父の形見
(もしもの世界へ行ける)
この「もしもボール」を典道が使うことで、なずなにとって都合が良い「もしも」の世界へ移ることができます。
「もしもボール」は死んだなずなの父の形見であり、灯台のフレネルレンズをモチーフにした丸いガラス玉です。花火と対極となる尺玉のようなシンボルとして存在しているようです。
回想シーンでは、なずなの父が幼少期のなずなをおんぶしながら灯台を見つめる場面と、「もしもボール」を握りしめている場面があることから、なずなへの想いが詰まっているアイテムであることが分かります。
もしもの世界へ移動する際の「その時不思議なことが起こった」なシーンは、なずなパパパワーのおかげなのでしょうね。
話は4部構成になっている
- 【A】プールで典道が負ける
- 【B】プールで典道が勝ち、なずなと典道が電車に乗れない
⇒風車が逆回転、花火がまっ平な世界。 - 【C】なずなと典道が電車に乗れる、雄介やなずなの母親に見つかる
⇒登場人物の胸が平らになり、花火が花びらのように咲く世界。 - 【D】雄介やなずなの母親に見つからない
⇒「もしもボール」の中に閉じ込められたレンズの中の世界。
典道がなずなのために「もしもボール」を使って「もしもの世界」を駆け巡る物語です。
A~Dパートで構成されていて、A、B,Cの世界で各1回ずつ「もしもボール」を使います。
A、B,Cパートで「もしもボール」を使い壁を乗り越える
なずなは転校する前に、典道と一緒に夏祭りに行き、最後の思い出を作る計画を秘かに立てていました。
しかし、素直に誘わなかったことで、典道と夏祭りに行けないどころか、母親に乱暴に家に連れ戻されるという、悲しい結末を迎えてしまいます。
そこで典道が「もしもボール」を使い「もしもの世界」へと移動、母親やその他の壁を乗り越えていきます。
最終的に典道となずなは、Dパートで誰にも邪魔されない「もしもの世界」へとたどり着きました。
Dパートで「もしもボール」が破壊される
誰にも邪魔されない「もしもの世界」へとたどり着いた典道となずなでしたが、酔っぱらった花火職人が現れ、打ち上げ花火にされて破壊されてしまいます。
困難を乗り越えて「もしもの世界」へ逃げた二人でしたが、結局現実の世界へと戻ることになるのでした。
二人はどうなったか分からないまま映画が終る
シーンは2学期の朝の出欠確認を行っている教室に移ります。
そこには典道となずなの姿はありません。
なずなは転校してしまったので机は空席。典道がいない理由は不明です。
二人がどうなったかが、分からないまま映画が終ります。ヒントもありません。
良い意味でも、悪い意味でも、余韻が残ります。
上映を終えてオチにザワついた
最後に謎を残して映画が終る
上映が終り、シアター内が明るくなったところで、映画館がザワつき始めました。
ツイッターで感想を見ても「意味が分からない」「つまらなかった」という意見が多かったのを覚えています。
結局二人はどうなったのか不明なので、「死亡エンド」「平衡世界の旅人エンド」「かけおちエンド」「見送りエンド」「ただのサボりエンド」色々な考察がネット上で飛び交いました。
何か心に残るものがあった
私はシンプルに”心の琴線に触れる”ような作品が好きです。
キャラ・物語・演出・声優の演技、等に引き込まれて、笑ったり、泣いたりして、感動できる作品が好きです。
しかし、この映画は、クスクスするようなシーンや、目頭が熱くなるようなシーンもなく、話のオチの説明もありません。
鑑賞直後の私の感想は「思ってたのと違ったな…あと所々作画が荒れてたな…とりあえずラストは想像にお任せってことか…好きなスタッフが終結して作ったのに…うーん…」でした。
でも、”心の琴線に触れる”何かがあったような気がしました。
でも、その答えはBDで再び鑑賞するまで見つかりませんでした。
2018年にBDを観た感想【半年後】
BD特装版を購入しました
CMを見て脊髄反射で購入したよ
CMでBDが発売されるのを知り購入。迷わずBD特装版を購入しました。
クリアケースで覆われていて、涼しい感じがするので好みです。
キレイな写真がとれるよ
上下のパカパカがあって、中央の新規イラストが隠れてしまうのが不満。
でも、箱状態にしてフラッシュをONにして撮影すると、なんだかキレイな写真がとれます。
ほらね、キレイでしょ。
パッケージで遊び飽きたところで、本編を見始めました。
BDを見返しても感想は変わらなかった
メッセージ性が不明でモヤモヤ
とりあえず本編を一回見ましたが、ラストがスッキリしないのは変わりませんでした。
「想像にお任せします」エンドだとは思うけど、やっぱりモヤモヤします。
理由は”作品内”で「想像にお任せします」という、メッセージ性を感じ取れないからです。
自分の想像で補完はしたくない…何か確信に変わるような情報を得たい…
とりあえず、藁にも縋る思いで特典に手を伸ばします。
BDの特典にヒントがあった
冊子でのヒント
大人になったと思しき典道たちが海辺にいるというエンディングや、二人はいないけど草むらに典道のアイテムである自転車、なずなのアイテムであるキャリーバッグだけが置いてあるというエンディングも考えていたんです。(中略)観た方なりの解釈でいいと思っています。
引用元:打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(完全生産限定版) の冊子
ラストのシーンは色々案があった中で、最終的に答えを明確にしない選択を取ったみたいです。
この冊子を読んでも「だろうね」としか思うことしかできず、明確な答えを得られなくてスッキリはしませんでした。
ですが、もう1つの音声特典でスッキリできました。
視覚障がい者向けの音声
視覚障がい者向けに音声のオプションがあります。
ラストカットの音声が「そよ風に揺れるナズナの花」なんです。映画を見ても花の名前は分からないので、知るキッカケになりました。
なんとなくですが「なずなの花のカット」に意味があるような気がして、花言葉を調べてみたのですが、そこで鳥肌ですよ。
- なずなの花言葉
⇒「あなたに全てお任せします」
あ、そゆこと?
初めて制作サイドのメッセージ性を”作品内”で感じ取れました。
この瞬間、この作品に対する不満がすべて吹き飛びました。
「観た方の想像にお任せします」が答え
花言葉で映画のメッセージを伝えて締めていた
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は最後に謎を残して話が終わる。ラストカットはそよ風に揺れるナズナの花。花言葉は「あなたに全てをお任せします 」。つまり「観た方の想像にお任せします」というメッセージを花言葉で伝えて締めてる。そんなステキな映画なんです。 pic.twitter.com/ixse7T7wPj
— sunegezonbi (@sunegezonbi) 2018年4月20日
そよ風に揺れるナズナの花のカットで映画は締めくくります。
花言葉は「あなたに全てをお任せします 」つまり「観た方の想像にお任せします」ということ。
監督もそうおっしゃってますよね。
花言葉で映画のメッセージを伝えて締めてるんです。
あなたのもしもにつづく!
脚本の大根仁さんもドラマと映画の「モテキ」では、「誰かのモテキにつづく!!」で締めてます。
大根仁さんは「次はあなたの番です」というメッセージ性が好きなようです。
人の人生に影響を与えるような、作品づくりを心がけているのかもしれませんね。
絵コンテを担当している監督の「武内宣之」さんが、大根仁の作品の傾向をくみ取り、花言葉で「あなたのもしもに続く」としたのでしょうか。
ここまで書いてガイドブックの存在に気づく
公式ガイドブックで細かく解説してるらしい
劇中にキーアイテムとして登場する不思議な玉についてや、実は作中内で変化しているなずなの等身、作品に込めた原作ドラマへのリスペクト、クライマックスシーンについてなど、読めば作品をより深く楽しめる、ここだけの情報が詰まった1冊です。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003627.000007006.html
実は作中内で変化しているなずなの等身
え…まじで?
確かに後半なずなが大人びてるとは思ったけど、作画が安定してないだけだと思ってました。
原画を担当している人の個性が出る過ぎてる作品だから、この仕掛けは少し破綻している気がしないでもない…
ガイドブック読んだら気持ち変わるかな?とりあえず、書店で見かけたら買おうと思います。
すべてのカット・シーンに意味がある
どうやらすべてのカット・シーンに深い意味があるらしいです。
ラストシーンのナズナの花言葉についても書いてあるのかな?
口コミを見た感じ「アレ?」って感じたところが解消されるようです。
まとめ
「観た方の想像にお任せします」が答え
芸術作品は追及しないと、芸術性を理解できないのと同じように、この映画も追及しないと、面白さを理解できないのです。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」という作品は、制作サイドの隠れたメッセージが多く隠れています。
作品内のメッセージ性を読み解かないと、楽しみにくい作品と言えますね。
文学作品のようだと言われるのも納得です。
モヤモヤが晴れてスッキリできた
自力でラストカットの意味に気づけたのは、半年越しのスッキリ感と達成感があり気持ち良かったです。
何より「やっと好きになれた」という点で満足眼が大きかったです。
打ち上げ花火、U-NEXTで見るか?amazonプライムで見るか?
ここまで私の妄想記事に付き合ってくれてありがとうございます。
調べてみたら、アニメは「U-NEXT」で、実写は「amazonプライム」で見られるようでした。
U-NEXTは初月無料で1800ポイント付いてきますが、U-NEXTで見るには別途540円かかるようです。無料じゃないのね。
あなたは・・・
打ち上げ花火、U-NEXTで見るか?amazonプライムで見るか?
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